『1分で話せ、伊藤羊一著、SBクリエイティブ株式会社出版、2018/3/20』を読んで。
この本でもっとも重要なことは『何のためにプレゼンをするのか』ということを改めて考えさせられることでした。
何のためにプレゼンをするのか。
それは人を動かすためです。
人に説明して理解してもらうためではありません。
人を動かすためなんです。
このこと以外については、ごくごく普通のプレゼンやパワポのテクニックについて書かれたものでしたが、プレゼンに関するいろいろなノウハウが書かれた、まさに、プレゼンの教科書のような本だと思いました。
ですので、人を動かすことに焦点をあて感想を書いていきたいと思います。
そのあと最後にプレゼンのテクニックについていくつか紹介します。
プレゼンは人に動いてもらうためにするもの
チームで仕事を行うことが多い現代において、効率的に業務を行うためにはチームの力を最大限に活かすことが必要です。
チームの力を最大限に活かすためには、目的の共有といった情報の共有がとても重要になります。
では、どうすれば情報の共有ができるでしょうか?
チームの力を最大限に活かすためには、自分の主張を相手にしっかり伝え、理解してもらい、動いてもらう力、すなわち「プレゼン力」が必要です。私が言うプレゼン力とは、人前で発表するスキルでも、話すスキルでもありません。ひとに「動いてもらう」力です。
そう。プレゼンの力が重要になるのです。
プレゼンとは人を動かすためにするものなのです。
しかし、実際のところ、ただ普通にプレゼンをしただけでは多くの人は動いてはくれませんよね。
プレゼン側、聞き手側どちらでも経験があるかと思いますが、プレゼン側であれば、
全然話を聞いていない人がいる、、、
寝ている、、、
と思ったり、
聞き手側であれば
この話良く分かんない、、、
いつまで続くんだ、、、
眠い、、、
と思ったりしたことはないでしょうか?
この本にも
聞き手はそもそも8割方聞いていないし、理解もしていない
とはっきりと書かれていました。
話を聞いてもらうため、理解してもらうため、行動してもらうために必要なことが、この本のタイトルにもなっているように、ずばり『1分で話せ』ということなのです。
1分で話すためのテクニック
1分で話すために重要なテクニックは3つあります。
(本にはもっといっぱい書かれていましたが、私が重要と思ったのが3つです。)
①ロジカルな構成にする
②スッキリ・カンタン
③イメージさせる
①ロジカルな構成にする
プレゼンはだらだらと思いついたままに話すのではなく、しっかりと論理的にまとめ上げる必要があります。
その方法は、プレゼンの内容をピラミッド型の3段構成にすることです。
一番最初に結論を持ってきて、それから根拠を提示し、事実を入れながら説明をします。
最初に結論をもってくる
結論を真っ先に持ってくることで相手にうまく伝えることができます。
結論が最初にあることで、聞き手が迷子になることを防ぐことができます。
話の途中で、『これ何の話だっけ??』ということがなくなります。
この方法はPREP法とも呼ばれていて、文章を書く時のテクニックの1つでもあります。
PREP法については別の記事で説明していますので、併せて読んでみてください。
根拠は3つ提示する
結論を導き出した根拠を3つ提示しましょう。
3つより多くても少なくてもダメです。3つが一番ちょうどいいんです。
例えば、『理由は10個あります』なんて言われてしまうと、聞くのもげんなりしてしまいますよね。
逆に1個しかなければ『本当か?』と疑ってしまいます。
私も体験がありますが、『理由は3つあります』と言われると多くの人は
理由 ① ② ③ |
と、ささっとメモをとろうとするのではないでしょうか。
このように3つというのはプレゼンを行うにあたってとても使いやすい数字なんです。
では、もし理由が4つある場合はどうすればいいのでしょうか?
簡単です。
『理由は3つあります』と言ってしまって、最後に『実はもう1つ理由があります』と付け加えれば大丈夫です。
最初から『4つあります』と言うよりも聞いてもらえる可能性がぐっと上がると思います。
また、この方法はMECE(ミーシー)と呼ばれる有名な手法でもあります。
MECEを簡単に説明すると、『もれなく』『重複なく』3つで説明するということです。
②資料はスッキリ・カンタンに
プレゼン資料の原則ですが、資料はスッキリにカンタンに作りましょう。
文字がびっしり詰まった資料は一気に読む気をなくしてしまいます。
政府が作っている資料なんかによくありますが、左上から右下まで文字がびっしりつまっているパワポを見かけます。
読むのけっこうしんどいですよ。
グラフやポンチ絵を効果的に使いましょう。
文字だけでなく図や絵があることでぐっとイメージがしやすくなります。
③イメージさせる
イメージしやすくなることで、実施している経過や結果を想像しやすくなります。
人は想像できることで行動しやすくなります。
最初にも書きていますが、プレゼンの目的は人を動かすことです。
よりよい結果をイメージさせることで、一気に行動させやすくなります。
徹底的に調べる
この本には最初に結論を述べると書いてありますが、最初にずばっと意見を述べることは、日本人的にはちょっと難しいですよね。
『自分の意見はこれです!!』と自信満々に主張することって大変ですよね。
でもこれって、自分の意見に自信がないから生じる気持でもあるんです。
人から批判されたらどうしよう、、、
うまくいかなかったらどうしよう、、、
質問されてうまく答えられなかったら、、、
といった気持ちがあるから自信が持てません。
ですので、徹底的に調べましょう。
このプレゼンのことに関しては自分が一番詳しいんだ!!
と言えるくらい調べて、下準備ができていれば、自信をつけることができます。
自信があるからこそ、はっきりと、相手をみて、身振りを交えながら、きちんとして声で、ちょうどいい間隔でプレゼンをすることができます。
1分で話せのまとめ
私としては、プレゼンというものはちょっとテクニックを身につけたからと言って、すぐにうまくなるものではないと思っています。
どうして緊張はしてしまうし、人前で堂々と話をするなんてなかなかできません。
うまくなるための方法は何度も資料を作成し、作り直し、練習し、実践するしかないと思っています。
この本を読むことで、うまくなるまでの近道になると思います。
プレゼンがうまくなりたいと思っている人はぜひ読んでいただきたいと思います。
きっと、プレゼン上達の近道になると思います。
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