ベストセラー本『LIFE SHIFT』の感想。人生100年時代に対応するための新しい生き方

本・教養

LIFE SHIFT,リンダグラットン・アンドリュースコット著,2016/10/21』を読んで

過去200年人間の寿命は延び続けており、人生100年時代と呼ばれる時代になりました。

人類がこれまで経験したことがない、長い寿命を向かることになります。

これまで一般的であった「学校」→「仕事」→「老後」というライフスタイルが通用しない世となりつつあり、変化が求められています。

この本はこのような時代にあって、どのように生きていけばいいかヒントを与えてくれる本です。

>>LIFESHIFTはこちら

この本は次の人におすすめ

・このままの人生でいいのか迷っている人
・老後の生活か心配な人
・自分のキャリアに迷っている人

 

これまでのライフスタイルの崩壊

人生100年時代と言われる現代では、これまでは正解だと言われていたことが正解ではなくなりつつあります。

そんな現状では新たなライフスタイルの確立が必要となります。

現在のライフスタイル

今の一般的なライフスタイルである、「学校」→「仕事」→「老後」というのは、平均寿命が70歳代だったころのスタイルでした。

しかし、現在平均寿命が80歳を超え、近い将来には100歳になろうとしている状況では、このスタイルを維持することは絶対にできなくなります。

例えば、今のスタイルを維持したまま平均寿命が100歳になるとすると、22歳で大学を卒業後、60歳まで働き、65歳から100歳まで年金生活を送ることとなりますが、すべての国民に35年間も年金を支給するような財源はどの国にもありません。

そうなると年金の支給開始年齢を引き上げることになりますが、例えば支給開始が80歳からとなった場合は、老後を安泰に過ごすためには、少なくとも80歳まで働く必要があります。

つまりれからの時代では60歳や65歳でのリタイアは許されなくなります。

80歳まで働く?

80歳まで働くことができますか?

まずもって働くためには健康でなければいけません。
また、雇ってもらえるだけの能力も必要です。

しかしながら、最近の経団連やトヨタの発言にもあるように、そもそも60歳までの終身雇用の維持すら困難となりつつあります。

必要となるのは、80歳まで雇ってもらえる(もしくは自営できる)能力を身に着けることです。

また、60年間も働くモチベーションを維持することです。

ただ、60年間働くことができるとしても、同じ会社、同じ仕事を続けることは現実的でしょうか?

20歳で働き始めたときのスキルが60年後の80歳まで通用するでしょうか?

時代が変わり今の仕事が不要となってしまった場合、60歳や70歳で新しい仕事に挑戦することができるでしょうか?

このような時代には新しいライフスタイルの確立が必要になります。

新しいライフスタイル

ではどのようなライフスタイルがいいのでしょうか?

それは、
「教育」→「自分の探求」→「仕事」→「自分の探求」→「老後」
というスタイルです。

ここで重要なのが「自分の探求」の個所でスキルを身に着ける、自分への投資を行う必要があります。

仕事をする期間が60年間もあるわけです。

その間に世の中は大きく移り変わり、必要とされるスキルといったものも大きく変化し、入社時のスキルでは通用しなくなることが起こりうるでしょう。

もちろん会社に勤めながらスキルを磨くことができればいいのですが、今では会社も体力がなくなり、十分な研修もできなくなりつつあります。

その際に、自分の探求として、新たなスキルの獲得に自分の時間を充てる、といったことがより一層重要となります。

具体的には、大学生が卒業後一斉に働きだすとは限りません。

さらに学ぶ人が増えるだろうし、本当にやりたいことを見つけるための期間に充てる人もいるでしょう。

また、すでに働いている社会人も学びなおしとして大学に入る、新たなスキルを身に着けるための転職を行うなど会社の移動がもっと流動的になるでしょう。

自分への投資

この新しいスタイルでは自分への投資がかかせません

人生が短かった旧ライフスタイルでは、仕事は一生懸命はたらき、家ではテレビでも見て家族とゆっくり過ごすということが一般的でしたが、これからのスタイルでは、その余暇時間を自己投資への時間に充てなければなりません。

つまりこれからの時代は、自己投資に充てた人と充てなかった人の差が大きくなってしまいます。

では、どのような自己投資をすればよいのでしょうか?

個別具体的なスキルや知識を身に着けることはもちろん重要ですが、この本では無形資産を形成することが非常に重要だと述べられています。

無形資産とは

無形資産とは、具体的には、スキル、知識、健康、友人関係、人的ネットワーク、ソーシャルキャピタルのをことを指します。

無形資産はその名前の通り、目に見えないためはっきりと把握することが困難です。
しかしながら無形資産を作ることは、野村資本市場クォータリー『持続的な企業価値の向上に不可欠な無形資産投資2017』にも述べられているようにとても重要です。

LIFESHIFTのまとめ

上記に書いているように、この本には、人生100年時代に突入するにあたり、予想される社会の変化やそれに伴う私たちの対応の必要性について細かに書かれており、現代社会を生きる社会人やこれから社会にでる学生にとってとても価値のある内容だと思います。

ぜひ多くの方に本を読んでいただいて、これからの社会に対応できるようになっていただければ幸いです。

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