ベストセラー本『メモの魔力、前田裕二』の感想。思考の整理とアイデアを生み出す方法

本・教養

メモの魔力、前田裕二著、幻冬舎』を読んで。

この本は、SHOWROOM社長の前田裕二氏が書いたもので、会社を起業し成功する人がどんな考えを持っているのかを知ることができます。

執筆時31歳と非常に若い年齢であり、成功するために相当の努力をしたことが伺えます。

 

この本は、著者が成功するためにしていた行動、『メモを取る』ということについて、とことん追求したものになります。

 

メモと言えば、普通は単純に『記録するためのもの』ということが思い浮かびます。

メモって記録するためにとるものだよね??

と思うのが普通だと思います。

ですが、この本では単純な記録にとどまらず、

・メモで思考するための方法
・メモから新たなアイデアを生み出す方法

について書かれており、従来の使い方をはるかに超える使い方で、メモを強力な武器にまで高めています。

この記事では、どうすればメモをこのレベルで使えるかについて説明します。

この記事の内容

・メモで思考し新たなアイデアを生み出す方法
・メモから得られる5つのメリット

 

この記事は次の人におすすめ

・メモの力を軽視してる人
・『物事の本質を捉えられていない』と言われたことがある人
・アイデアがでなくて困っている人

メモで思考し新たなアイデアを生み出す方法

メモは何のためにとるのか?

大きく次の2つの目的があると説明しています。

メモの目的

①事実を記録するため
②メモで思考し新たなアイデアを生み出すため

①については、多くの人が実施していると思います。

ですが、逆に多くの人はこの段階で終わってしまっていると思います。

それでは非常にもったいないです。

②つ目の『メモで思考し新たなアイデアを生み出すため』にメモをとるということが、とても大きな力になります。

メモでアイデアを生み出すとは

事実を文字に書き起こすことで、事実の中に意味を見つけ出し(抽象化し)、それを他に転用する(アイデアを生み出す)ということです。

つまり、物事の本質を見つけ出すことで、他のことに応用するということができます。

この事実の中から意味を見つけ出す抽象化について説明します。

抽象化するとは

抽象化とは、『事実の中に意味を見つけ出し、他に転用するためにする』と書きました。

事実の中に意味を見つけ出す、つまり物事の本質を見つけ出すためには、とことん『Whyなぜ?』ということを追求する必要があります。

これをメモで追及するのです。

抽象化の具体例と転用方法

例えば、私のようにブログを書いている人の場合、こういった流れになります。

【事実】
・ブログの閲覧数は増えている
・ブログをとおして商品を購入してもらっている

【抽象化】
・自分は人に伝える力が付いている
・自分は魅力的な文章を書けるようになってきている

【転用】
・Youtubeでもやっていけるんじゃないか?

そして最後に検証した結果を実践してみるのです。

ブログの例でいえば、Youtubeを実践してみることになります。

これで上手くいけば、それが正解だったということです。

うまくいかなければ、今度はなぜうまくいっていないかについて深堀し、もう一度同じ検証を繰り返す。

メモをとらずに頭の中で漠然と考えているだけでは、正しい整理は絶対にできません。

このように、メモは、いわゆるPDCAサイクルを非常に効率よく自分で理解しながら回すためのツールとして使うことができます。

>>PDCAサイクルについてはこちら

メモから得られる5つのメリット

メモにはさらにすぐれた優れた5つの点があります。

メモから得られる5つのメリット

①知的生産性が増す
②情報獲得の伝導率が増す
③傾聴能力が増す
④構造化能力が増す
⑤言語化能力が増す

①知的生産性が増す

これについては、上の新たなアイデアを生み出すで十分に説明をしました。

②情報獲得の伝導率が増す

普段からメモをとることを意識することで、情報を「素通り」しなくなります。

普段何気なく生活をしていると、ほとんどの情報が右から左へ流れて行ってしまいます。

ほとんどの情報については、取るに足らないようなものです。

ですが、そのなかにときどき混じっているとても貴重な情報も一緒に流れてしまいます

メモをとる意識をし、普段からアンテナを張っておくことで、その貴重な情報を「素通り」してしまう可能性がぐっと低くなります。

一流と凡人の違いは、そういう情報をキャッチできるかという部分にも表れます。

③傾聴能力が増す

メモをとる姿勢を見せることで、相手が聞いてもらえているという気持ちになります。

つまり、コミュニケーションの手段としてもとても有効です。

他にもコミュニケーションの方法として有効な、『相手の目を見て話す』『頷き、相槌をする』等とあわせることで、相手もとても話しがしやすくなります。

相手が話しやすくなれば、より深い話を聞きだすことができます。

ただし、注意としては、メモをとることに集中し過ぎないことです。

メモをとることに必死で下ばかり見て話しを聞いていたら、それは円滑なコミュニケーションとは言えません。

④構造化能力が増す

メモをとることで、話の内容をきれいに整理することができる

つまり、構造化することができるようになります。

例えば、ただ漠然と話を聞いているだけでは、今どんな話をしているのか、全体の話なのか、部分の話なのか良く分からないことがあります。

ここでやっかいなのは、話し手自身もよく整理できていない状態で話していることがあり、話が飛んだり戻ったり、違う話をしだしたりすることがよくあり得るということです。

これについては、本書でとても分かりやすく説明がされていましたので引用したいと思います。

構造化能力とは、全体像を俯瞰的にみられて、どんな目的でどこまで話しているのかを把握する力。
PCで例えると脳内にまず大きな親フォルダを作って、どの情報が子フォルダに入るのかを仕分けるイメージ。

例えば、天気の話をする際には、「天気」という親フォルダの中には、「晴や曇」り、「雨」、「雪」などの子フォルダがある。
今、「天気にはどんな種類があるのか」という議論をするのであれば、子フォルダを横並びの並列で議論をする必要がある。
一方、「雪」について議論を深めるのであれば、「雪フォルダ」の中のみぞれやひょうについて議論をすべきであるが、会議をしていると、雪フォルダの議論をしているのに、急に雨フォルダの議論を繰り返して出してくる人がいるかもしれない。
メモを構造化して書いている人は、すぐに「別フォルダの話をしている」ことに気付ける。

つまり、構造化を意識しながらメモをとることで、違う話をしていることにすぐ気が付くことができます。

私は、さらに別の利点があると考えています。

それは、逆に1つの「子フォルダ」しか全員が見れなくなっている場合に、違う視点を入れることができることです。

特に専門性が高い人であれば、自分の得意な範囲しか見えずに、視野が狭くなるということはよくあると思います。

上記の例で言えば、本来は天気の話をしなければ解決しない問題なのに、雪について詳しい人が多いために他の子フォルダが見えなくなっているかもしれません。

そのときは、雨の子フォルダが解決の糸口になるかもしれません。

⑤言語化能力が増す

感情の整理ができる。

私はこの考え方にとても感心しました。

メモをとるというこは、同時に、「言葉にせねばならぬ」を意味する

つまり、例えば、言葉にしにくい一時的な感情についても、メモをするのであれば言葉に、文字にしなければならないのです。

つまり、頭のなかのもやもやとした感情も言語にしなければならないのです。

これは、普段意識しなければ絶対にしないことだと思います。

自分の気持ちを文字にすることで、自分の感情を把握し、整理することができます。

それは、夢や目標、アイデアといったポジティブなものもそうですし、不満、いら立ち、ストレスといったネガティブなこともそうです。

こういった漠然としたものを文字化することで、なぜそう思うのか、なぜそう考えるのかを整理することができ、自分と向き合うことができます。

そして、どうすればいいのかという方針を考えることができます。

最後に

この本は、メモをとるという行為をとことん突き詰め、1つの武器にまでしたものです。

メモとは思考を言語化するツールであり、言語化することで思考の整理を容易にし、新しいアイデアを創出するツールである、このことが良く分かる本です。

ぜひ、おすすめしたい本です。

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