メンタルヘルスの重要性。メンタルを良くするメリットと方法

メンタルヘルスとは『心の健康』のことを指します。

何かと忙しく長時間労働や複雑な人間関係がある現代社会では、体の健康はもちろん、心の健康が重要です。

現在、メンタルの不調で病院に通っている人が300万人以上と言われており、他人事ではありません。

心の健康は、体と違い目で見ることができないため、気づいた時には深刻化してしまいがちです。

ストレスフルな現代を健康に過ごすためには、自分のメンタルについて考え、対応を行うことが重要です。

ストレスの感じ方には個人差がある

同じ出来事でもストレスを強く感じる人もいれば、そうでない人もいます。

ある人が大丈夫だからと言って、自分も大丈夫とは限りません。逆もまたしかりです。

また、同じ出来事でもその時のメンタルの状況によっても受け止め方は変わってきます。

どうして受け止め方が異なるのか

これまでの人生で経験したその人独自の『環境』や『体験』、今現在の『環境』や『体験』が受け止め方に影響を与えるためです。

特に今現在がポジティブな状態であれば、同じ出来事でもポジティブに受け止めることができますが、今現在がネガティブな状態であれば、ネガティブに受け止めてしまいます。

メンタルヘルスの重要性

メンタルを悪くすると、意欲がわかなくなるだけでなく、ぼーっとしたりと集中力が低下したり、ささいなミスをしてしまうようになります。

さらに、このような状態が続けばうつ病にもなりかねません。

このような事態に陥らないためにも、おろそかにしてしまいがちなメンタルのケアについてしっかり意識しストレスと向き合うことが重要です。

また、メンタルが強い人ほど仕事での成果が高いことが分かっています。

メンタル感情をうまくコントロールできる、ストレスに柔軟に対応できるといったことで仕事にマイナスの影響を与えないだけでなく、自分に自信を持てることで仕事に好影響を与えているのだと思います。

健康に過ごすといった点だけでなく、仕事のパフォーマンスを高めるためにもメンタルヘルスは重要です。

ここでは、ストレスを感じた時の対処法、ストレスをためない考え方等について記載していきます。

体の健康

体の健康と心の健康は直結しています。

体を壊してしまうと、心も壊れてしまいがちです。

風邪をひいて体調が弱っていると、なんとなく心も弱くなってしまうことは誰しも経験があるかと思います。

体を壊してしまうとホルモンバランスが崩れ、本人の性格・メンタルタフネスに関係なく、メンタルが低下してしまうことが分かっています。

 

健全な精神は健全な肉体に宿るという言葉にもあるように、健康の維持は健康なメンタルの維持にも大きく影響します。

健康な体を維持するためにも、睡眠・食事・運動は十分に気を付ける必要がります。
これらを充分にとることで、体が健康になるだけでなく、メンタルも良くなり、さらにはパフォーマンスも上がることが分かっています。

ストレスをためない-ストレスは短く切る-

ストレスは強さよりも長さの方がメンタルにより深刻なダメージを与えます。

例え弱いストレスであってもそれがずーっと長く続くと心は深刻なダメージを受けてしまいます。

 

また、感情は抑え込んだり、無視したりするとネガティブ感情がさらに強くなることになり逆効果です。

そこで、ストレスは短く切る、その日のうちに解消することが重要になります。

例えば、上司に怒られる時も、一度に強く怒られるよりも、いつまでもネチネチと小さく小言を言われる方がメンタル的にははるかに負担が強くなります。

ストレスを長引かせない、短く切るには次の4つの方法があります。

①運動をする
②深呼吸をする
③筆記をする
④笑顔

①運動をする

運動は体の健康を保つだけでなくストレスを軽減することが分かっています。

運動により、βエンドルフィンが分泌されることで痛みに対する感覚が鈍くなることが分かっています。

また、運動は生活習慣病の予防や、肥満の防止、睡眠の改善にもつながり、これらの相乗効果でさらにストレスが軽減されます。

ウォーキングといった軽い運動でも十分な効果が見られるそうです。

②深呼吸をする

呼吸と感情には密接なつながりがあることが分かっています。

現に、心が乱れると呼吸も乱れてしまうことは誰しも経験があると思います。

緊張すれば呼吸ははやくなるし、パニックの時にも呼吸は早くなります。

逆に呼吸を整えることで心も整えることができます。

 

これを取りいれた運動がヨガや太極拳になりますが、単純に深呼吸するだけでもこの効果を得ることができます。

意識を呼吸にのみ集中し、ただ鼻から息を深く吸い、深く吐く、これを約1分間続けるだけで心を落ち着けることができます。

他の雑念はすべて取り払い自分の呼吸のみに意識を向けてみましょう。

けっこう心が落ち着くのが分かります。

③筆記をする

嫌な気持ちといったストレスは目に見えないため、はっきりと自覚しにくいという特徴があります。

そこで、何かストレスを感じた時に文字に書くことで整理ができます。

文字にすることで、何に対してストレスを感じているのか、原因は何なのかといったことがぼんやりと見えてきて、どうすれば解決できるかという糸口が見えてきます。

また、感情を文字にして表現することで、ネガティブな感情を体の外にだすというリラックス効果も得られます。

あらかじめストレスを感じることについて書きだしておくといいです。

例えば、『初対面の人と話すことはストレスだ』『人前で何か話すことはストレスだ』『自分の時間が持てないことはストレスだ』とう自分のストレスを事前に整理しておくことで、その場面に直面した時に心構えをすることができます。

④笑顔

ポジティブな感情を湧きあがらせることはけっこう難しいです。

感情は自分ではなかなかコントロールできないからです。

だけど、いい感情が湧きそうな行動をとることはできます。

ずばり。笑顔です。

笑顔は相手をポジティブにさせるだけでなく、自分自身もポジティブになります。

逆に無表情は、相手をネガティブにさせるだけでなく、自分自身もネガティブになってしまいます。

 

例えば、同じ体験をした場合でも、心がポジティブな時はいい点に気づくことができますが、心がネガティブな時は悪い点にばかり目が行くことが分かっています。

笑顔を心掛けることで、周りをポジティブにし、自分もポジティブになり、他の人のいい点に気付けるようになります。

笑顔を心掛けましょう。

『~しなければならない』はやめる

大学に行かなければならない
卒業したら働かならない
結婚しなければならない
子育てをしなければならない
60になれば仕事を止めなければならない
etc…

これらは社会や世の中から求められることではありますが、別に本当にしないといけないことではありません。

自分の人生は自分で選択し生きていていいのですが、責任感が強い人、もっと言えばうつ病になりやすい傾向がある人は、このような断定的な意見判断をしてしまうことが分かっています。

『~しなければならない』という考え方ではなく『~した方がよい』という考え方に変えてみましょう。

考え方を柔軟にするだけでストレスをコントロールしやすくなります。

考え方を変える-ピンチはチャンス-

考え方を変えてみることも1つの手段です。

重要なプレゼン、取引が控えていると誰しも緊張をしてしまいます。
緊張をすること自体は決して悪いことではありません。
失敗を恐れ挑戦しないこと、失敗から何も学ばないことが悪です。

このような緊張する場を『自分が成長できるチャンスだ』ととらえてみましょう。

うまく成功すればそれはそれで大丈夫。
きっと自身につながります。

緊張は、自分の足を引っ張るものではなく、自分の背中を押してくれると考える。

失敗しても反省して次に生かせればいいのです。
次に生かすことができれば、自分の成長につながります。

失敗し落ち込み、自分を責めることがないようにしましょう。
『やれることはしっかりやったんだから、今回はどうしようもなかったんだ』と考え、次にポジティブに進みましょう。

ただし、もちろんやるべきことはしっかりとやっておくことが大前提です。

新しいことに挑戦する

人は、危機感か好奇心を感じた時に自分を変えようとします。

危機感という後ろ向きな理由よりも、好奇心という前向きな理由の方が当然いいですよね。

何か今うまくいかないことがあれば、いろいろな新しいことに挑戦をしてみましょう。
好奇心を持ち、常にアンテナを張り巡らせることで、必ず新しい発見・出会いがあります。

新しい発見はきっと解決するための糸口となります。

メンタルヘルスのまとめ

ストレス自体をなくすことは可能なのか?

答えは不可能です。

ストレスは元をたどると『刺激』です。

人は生きていくうえで刺激を避けることはできません。

ストレスが高すぎるとパフォーマンスが落ちてしまいますが、低すぎてもパフォーマンスが落ちてしまうことが分かっています。

また、人は全くのストレス(刺激)がない状態に長く耐えることができないことも分かっています。

ストレスはなくせないことを理解し、うまく向き合いマネジメントすることで日々のパフォーマンスを高めることができます。

参考図書

「レジリエンス」の鍛え方 久世浩司著 実業之日本社
ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくりかた 相場聖著 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン出版
「世界一のメンタル」50のルール心を強くする サーシャ・バイン著 飛鳥新社

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