ヤフーニュースを見ていると副業についての記事が気になりました。
複数就業、労災対象に 兼業・副業促進に対応 厚労省
ヤフーニュースより
厚生労働省は10日、労働政策審議会の部会に複数の職場で就業する人に対する労災給付の方針を示し、了承された。
休業補償については、労働災害が起きた職場と他の職場の賃金を合算して金額を決め、実際の収入額に応じた給付が受けられるようにする。
政府は労働者の兼業や副業を促進しており、働き方の多様化に合わせ、セーフティーネットを拡充する。
厚労省は来年の通常国会に関連法の改正案を提出し、来年度中の施行を目指す。
これまでは労災が起きた職場の賃金に基づき給付額を決定。
このため、他の仕事を休むことになってもその分の賃金が反映されず、複数就業者に対する給付額は少なくなっていた。
どういう制度になるのかはまだはっきりとは分かりませんが、これにより副業が衰退化しないか心配です。
以下個人的に思ったことについて書いていきます。
前提として
前提として、私は副業については賛成派です。
むしろ今のような、何が正解か分からないような時代では、1つの企業で働き続けることは危険だと思っています。
ヤフーのコメントでは、
副業を推進する前に、他の会社で副業なんかしなくても生活できるような社会にするのが国の仕事だろう!!
というような意見がありましたが、あまりにも他力本願で危機感が欠如していると思います。
会社はいつまでも存続できるか分からない
具体的な根拠は不明ですが、企業が30年以上続く確率は0.02%とよく言われています。
また、根拠を示せるデータとしては、東京商工リサーチによるデータで『2018年の倒産企業の約32.7%が30年以上の会社』という数字があります。
ここで言いたいのは、現代社会では、長く続いている会社だから安心とは限らないし、30年続けることも困難な状況になっているということです。
つまり、終身雇用制度の維持が事実上困難になっているということです。
このような状況にあって、1つの企業に勤め続けることは非常に大きなリスクを伴います。
人生100年時代と言われている現在では、近い将来80歳まで働かなくてはならない時代が来るかもしれません。
20歳で働き始めたとしたら、60年間も働くことになります。
先ほどの話を考えると、今20歳の人が、今働いている会社は60年間も続けることができるのでしょうか?
きっと困難だと思います。
これは、自分ももちろんそうですが、子供にも当てはまることです。
ではどうすればよいのか。
私はこの解決法の1つが副業だと思っています。
1つの会社にとらわれずに複数の会社で働くことでこのリスクを軽減することができます。
また、さまざまな会社を体験することで、いろいろな経験を積むことができ、柔軟な発想や考え方ができるようになります。
そしてなにより、収入が増えるという分かりやすいメリットがあります。
しかしながら、そこで懸念しているのが、今回の副業も労災の対象になるということです。
つまり会社の責任が問われる可能性があることです。
会社側から見た場合
しかし、いくら副業が理にかなっていていいものだとしても、その一方でどうしても増えざるを得ないのが就労時間です。
ですので、今回の副業についても労災の対象とすることの意味は理解していますし、そういう社会保障があることはとてもありがたいと思います。
しかし会社側からみたらどうでしょうか?
上にも書いたように、本来副業とは、自分の知見を広げることや新たなスキルを身に着けたり、別の活躍の場を求めたり、ひいては収入をプラスしてよりより生活を送るために、自分のためにするものです。
つまり、会社側からさせられるわけではなく、自分からするものです。
会社側から見れば『従業員が副業したいと言い出したから許可したのに、過労になった結果、責任が問われることになった』ということは避けたいはずです。
会社としては、一度ブラック認定されたら社会的な信頼は大きく損なわれます。
企業が副業を推奨しなくなる!?
万が一責任が会社側に来ることになれば、多くの会社は自分を守るために、副業を推奨しなくなるのではないかという可能性があることです。
この労災を認定するための制度がどういったものになるかは分かりませんが、せっかくの副業推奨の流れが悪くなってしまうかもしれません。
これからの時代では1つの会社で能力を身に着けるのではなく、いろいろなことを経験することが絶対に自分の身になる時代です。
むしろそういう生き方をしないと生きていけない可能性すらあります。
副業も労災対象のまとめ
もう一度言いますが、副業についても労災になるような社会保障制度が整うこと自体は賛成です。
しかしながら、会社側が副業を推奨あるいは認めなくなってしまうような制度になってしまわないか懸念があります。
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