2019年10月1日より、消費税が10%に増税されます。
庶民にとっては生活が非常に苦しくなることが予想されます。
ところで本当に消費税は増税しなければならないのでしょうか?
・日本は1000兆の借金がある
・社会保障費(特に年金)が足りなくなっている
というのが、消費増税の必要な理由として、挙げられていますが本当なんでしょうか?
消費税を上げる必要はない!!
というスタンスに立って説明します。
①借金1000兆円に隠されてたウソ
②社会保障費が足りないに隠されたウソ
・消費増税が本当に必要なのか気になる人
・日本の借金が大丈夫か心配な人
巧妙に隠された真実とウソ
消費税の増税が語られる際に、次の2つが大きく説明されますよね?
①日本は1000兆円の借金を抱えているから増税はやむを得ない
②少子高齢化で社会保障費が足りなくなっている
でもこれって真実なのでしょうか?
1000兆円の借金のウソ
日本が1000兆円の借金を抱えていることはまぎれもない事実です。
しかし、このことは本当の情報の半分しか説明していないのです。
では、説明していない残りの半分とは?
①実は日本は資産をめっちゃ持っている
②借金のうち400兆円は日銀から借りている
③残りのほとんども国内の金融機関等
資産をめっちゃ持っているとは?
実は日本は1000兆円の借金をかかえていますが、資産も700兆円くらい持っています。
IMF(国際通貨基金)の2018年10月のレポートによると、
国の財政は負債だけでなく資産と併せて見るべきであり、この観点で見ると日本はG7中カナダに次ぎ2番目に健全である。
と述べられています。
つまり、資産のことは一切語られずに、借金についてのみ言及し不安をあおっていますが、現段階では不安に駆り立てられる必要はないのです。
IMFとは
世界銀行と並び、戦後の国際金融を支えてきた機関。(中略)
1994年のメキシコ通貨危機、続く97年のアジア通貨危機のとき、資金提供と通貨金融の安定化を支援するプログラムを作成するなど大きな役割を果たしている。
また、旧社会主義国の市場経済体制への移行を円滑に進めるための技術支援などもおこなっている。IMFは、1944年7月にアメリカのブレトンウッズで開かれた連合国通貨金融会議で設立が決まった。
出展:Weblioより
日本は、1952年に加盟し、現在のIMF出資割当額はアメリカに次ぎ、ドイツと並ぶ第2位となっている。
借金のうち400兆円は日銀から借りているとは?
借金のうち400兆円は日銀から借りているのですが、日銀は『政府の銀行』と呼ばれているように、はっきりいって借金のうちに入らないのです。
残り600兆円についてもほとんどが国内の金融機関等であり、個人で例えるならば『1000万円借金があるけどお父さんから借りている』という状態です。
闇金から1000万円借りていれば状況は非常に深刻ですが、お父さんから借りているのであれば問題ないですよね?
しかも資産は700万円持っていますから。
でも現に日本は資産より借金の方が多いのでは?
問題ありません。
会社で例えてみましょう。
例えば起業する際、銀行からお金を借りることは普通ですよね?
それはあくまでも借金ですが、会社をうまく経営し、借りた以上の利益を上げれば全く問題ありませんよね?
同じように国で考えた場合も、例えば教育費用として国債を発行したとしても、教育を『人への投資』と考えるならば、いずれ税収としてそれ以上を支払ってもらうこととなります。
社会保障費が足りなくなるというウソ
少子高齢化により、社会保障費が年々増加し膨れ上がっていることは本当です。
でもそもそも社会保障費の不足分って、税金で補うべきものなのでしょうか?
年金・医療・介護の3つの社会保障は、基本的には『保険方式』で運用するものであり、税金を投入すべきものではないのです。
多くの人は生命保険に入っていますよね?
例えば、月々5000円くらいを支払い、万が一死亡したら遺族に2000万円支払われるというやつです。
これってどういう図式で成り立っているかというと、平均より長く生きてしまった人は高い保険料を払い続けて損をし、その分が平均より早く亡くなってしまった人に支払われるという仕組みです。
年金についても同様のことが言え、平均より早く亡くなってしまった人は年金がもらえずに損をし、平均より長生きした人は多くの年金がもらえ得をするということになっています。
年金とはそういう制度なのです。
ここで最近問題なのが、近年平均寿命が延び続けていることで、年金が始まった当初の設計よりも長生きする人が多くなりすぎ、年金が足りなくなってしまっているのです。
平均寿命が100歳になれば、年金を65歳から支給し、100歳まで35年間も払い続けるという運用は、日本では到底不可能です。
では、どうすればよいのか。
答えは簡単です。
年金の支給開始を遅くすればよいのです。
これが『保険方式』で運用するということになります。
しかし、そんなことを言えば、高齢者は当然反対しますよね?
シルバー民主主義といわれる現在日本でこれをするにはなかなか勇気がいることです。
じゃあ、なんで消費税をあげるの?
元大蔵省官僚の高橋洋一氏によれば、財務省官僚が天下り先を確保するためにばらまく資金のためとのことですが、政治的な側面もあると考えられます。
どうして消費税をあげなければならないのか?
それを考えるときに所得税と法人税が下がっていることを考える必要があります。
実は所得税と法人税は下がっています
なんだ、実は税金下がっていたのかと思ったら大間違いです。
だって実際にお金に余裕できてますか?
減税の効果感じていますか?
多くの人は感じていないはずです。
なぜなら所得税と法人税の減税は、お金持ちと大企業しか得をしないのです。
その減った分の税収をどこから補うのかというと、そう、消費税です。
消費税を増税したらどうなる?
ここまで、私は消費税を増税する必要はないというスタンスで説明してきましたが、では、増税されるとどうなるのでしょうか?
簡単に考えられるのは、消費行動の冷え込みによる経済の停滞です。
過去の増税はどうだった?
これまでも0から3%、3%から5%、5%から8%と増税されてきましたが、その時の経済はどうなっていたでしょうか?
消費税が最初に導入されたのはバブルの頃です。
この時は、バブルの好景気により、消費税は経済に打撃を与えることはありませんでした。
しかし、5%になったときは、経済はデフレ下にあり、増税直後、国内の消費活動は一気に冷え込み日本の経済は悪化しました。
もちろん経済を読むことは難しいですが、日本経済の6割を個人の消費活動が動かしていることを考えると、当然の結果だったのかもしれません。
ここ20年ちっとも給料があがらず、生活が苦しくなっているのは、消費税の増税が大きな影響を与えているともいえます。
8%の時はどうだったでしょうか?
実際は、日本経済には大きな打撃を与えることがありませんでした。
むしろ、アベノミクスによる好景気とも言われていました。
でも、庶民の感覚としてはとても好景気なんて思えませんでしたよね?
実は、世界経済が好調なおかげで、輸出業の成績がすこぶるよく、それにより日本経済は好景気になったことになっていました。
つまり、日本経済が回復したわけではなく、世界経済がよかったからたまたま助かっただけです。
輸出業に支えられなければ深刻なダメージを負っていた可能性もあったとの試算もあります。
10%になれば
特別な要因がなければ、日本経済はさらに停滞することになるのではないでしょうか?
特に10というのはきりの良い数字です。
心理学的に見た場合も、8%だと計算が煩雑であるためあまり気にしないが、10%になると計算が容易であるため、個人の消費活動に大きな影響を与えるとの実験があります。
日本経済のことを考えるといつかは増税もやむを得ないのでしょうが、日本経済が回復しきっていない今することははたして正しいのでしょうか?
10月以降の状況について気になるところです。
参考書籍
本ブログを書くにあたり、以下の書籍を参考にしています。
「消費増税」は嘘ばかり 高橋洋一 2019.3.1
「10%消費税」が日本経済を破壊する 藤井聡 2018.11.10
消費増税は、なぜ経済学的に正しいのか 井堀利宏 2016.3.25
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