『自己肯定感の教科書 中島輝著 SBCreative』を読んで。
著者の紹介
カバーより
5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、9歳ごろから、HSP、双極性障害、パニック障害、統合失調症、強迫性障害、不安神経症、胃潰瘍性大腸炎、斜視、過呼吸、認知症、円形脱毛症に苦しむ。25歳で背負った巨額の借金がきっかけでパニック障害と過呼吸発作が悪化。10年間実家に引きこもりつつ、代表取締役としてグループ会社を運営。自殺未遂を繰り替えるような困難な精神状況のなか、独学で学んだセラピー・カウンセリング・コーチングを実践し続ける。
壮絶な生い立ちですよね。
著者自身が、人生において多くの経験をし、悩み、それを乗り越えています。
私はこのように困難を経験し、一度や二度心が折れながらも、それを克服した人の話しってすごく深いと思いますし、面白いと思います。
だからこそこの本もベストセラーになっているんだと思います。
自分の体験から得た教訓というのは非常に説得力があると思います。
この本は自己肯定感を高めることで、日々の生活をより良くするためのことが書いています。
・自己肯定感とは
・自己肯定感を高めるメリット
・自己肯定感を高める方法
自己肯定感とは
まず最初に自己肯定感とは何なのか。
この本では次のように書かれています。
自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられること
と説明し、”6つの感”によって支えられるとしています。
6つの感とは
①自尊感情・・・自分には価値があると思える感覚
②自己受容感・・・ありのままの自分を認める感覚
③自己効力感・・・自分にはできるという感覚
④自己信頼感・・・自分を信じられる感覚
⑤自己決定感・・・自分で決定できるという感覚
⑥自己有用感・・・自分は何かの役に立っているという感覚
この6つの感はそれぞれ密接につながり、影響を受けながら自己肯定感を形作っている。
とのことですが、まぁ正直理解するに越したとこはないかと思いますが、よく分からなくても大丈夫だと思います。
簡単に一言で言うなら、『自分を否定せずに肯定しましょう』ということでいいと思います。
もっと大事なのは、自己肯定感が高いとどういうメリットがあり、どうすれば自己肯定感を高めることができるのかということです。
私自身もこの本を読むまでは、自己肯定感についてはあまり意識することはありませんでした。
しかしながら、自己肯定感を高めることで、日々の生活を良くすることができるのであれば、自己肯定感を高めるに越したことはないでしょう。
自己肯定感が高いメリット
自己肯定感が高い状態にあると、物事を前向きに解釈することができ、気持ちが安定し、積極的に行動することができる
積極的に行動することはとても大切ですよね。
何事も行動しないことには、新しい知識やスキルは身につきませんし、挑戦しないことには成長もしません。
自己肯定感が高くなるとこのような行動ができるというのです。
自己肯定感を一瞬でぱっと高める方法
最初に即効性のある、簡単に自己肯定感を高める方法が24個紹介されています。
ここでは私自身も特に効果的だと思ったものをいくつか抜粋して紹介したいと思います。
・「ヤッター!」のポーズ
・鏡の中の自分にポジティブな言葉をかける
・十分な睡眠をとる
「ヤッター!」のポーズ
グーッと伸びをした後、顔を上向きにして両こぶしを上に突き上げ「ヤッター!」のポーズをとりましょう。声を出せる方は声を出すと、もっと自己肯定感が高くなるでしょう。声を出せない方は心の中で言ってください。
これはかなり理にかなっています。
心と体は密接につながっていて相互に関係があります。
気分が乗らないときは、あえて気分が乗りそうな行動をとることで、心も体に騙されて良くなります。
これは、科学的にも証明されていて効果があることが分かっています。
また、朝にすることで、1日の始まりを良い状態でスタートすることができます。
1日を良い気分でスタートできるか、悪い気分でスタートできるかで、その日、1日の成果がが全くことなります。
良い気分でスタートできることで、同じ1日を過ごしたとしても得られるものがはるかに多くなり、より成長を感じることができるでしょう。
鏡の中の自分にポジティブな言葉をかける
これも効果的です。
「ヤッター!」のポーズと同じように、行動により心を変える効果が期待できます。
人は、同じものを見た場合でも、心がポジティブな感情の時はものごとのいい点に気付きやすく、逆に心がネガティブな時は悪い点に気付きやすいことが分かっています。
鏡を見た際も、ポジティブだといい点に気付きやすいですが、ネガティブだと悪い場所ばかりが気になってしまいます。
ポジティブ → いい点に気付く
ネガティブ → 悪い点に気付く
鏡の中の自分にポジティブな言葉をかけるというのは、この特徴を逆手にとるとてもいい方法です。
つまり、いい点に気付くことで、心をポジティブにするというものです。
先ほども説明したように、体と心は密接につながっています。
言葉にして鏡の自分を褒める(行動する)ことによって、心を良くするというとても理にかなった方法です。
十分な睡眠をとる
睡眠は重要です。
人生の1/3は眠っていると言われるくらいですので、いかに質の良い睡眠をとることが、体と心の健康に重要です。
体や頭がつかれていると、どうしてもネガティブな発想になりがちです。
睡眠の重要性については、次の記事でも書いていますのでぜひ読んでみてください。
>>『ベストセラー本『スタンフォード式最高の睡眠』の感想。健康のための睡眠。睡眠の質を良くする方法』
笑顔を作るがないのが残念
上にあったように行動から心をポジティブにする有名な方法として『笑顔を作る』というものがあります。
これについて書かれていなかったことが少し残念です。
『笑顔を作る』ただそれだけで、心は騙されポジティブになることが分かっています。
こんなに簡単なことで、よりよくなりますのでしない手はありません。
自己肯定感をじわじわと高める方法
自己肯定感を高めるための基本的なコツとして、『ブレないしなやかな自分の軸を作ること』です。
これは、書籍『Think clearly』でも信念という言葉で説明されており、信念がしっかりとしていなければ、あれもこれもとその場その場で対応がバラバラになり、一貫した行動をとることができません。
また、同時にあちらを立てればこちらが立たないといった、矛盾したことに直面することにもなります。
これらは、ブレない信念を持つことで解決することができます。
人間は不完全であり、完璧にはなれないことを前提として、自分のポジティブな点とネガティブな点を受け入れます。そして、何が心を塞いでいるのか、どう改善していったらいいかを知り、無理のない目標を立てて、1つ1つの問題をクリアしていきながら、自己肯定感を高めていきます。
まずは、ありのままの自分を受け入れること、自己認知をすることが大切です。
自分を否定してはいけません。
ただし、自分のことを理解することは一番難しいとも言われるように、ありのままの自分を理解するためには、文字化することがお勧めです。
本書でも「ライフチャート」と使った方法が説明されています。
ライフチャートで自己認知
ライフチャートについて簡単に説明すると、人生にとって大切なことを8個決めて、それらの満足度を10点満点で評価するものです。
数値で表せない(または表しにくい)ものを点数化することは難しいかもしれませんが、まずはやってみましょう。
実際にやってみるということが何よりも大切になります。
そして、点数が低かったものについて、
・点数が低い理由はなんだろう
・どうすれば点数が高くなりそうか
・そもそも点数が低いのは問題なのか
・具体的にどういう行動をすれば点数があがりそうか
などを考えて、点数をあげてみましょう。
ここで重要なのは、一気に点数をあげるようにするのではなく、まずは1点をあげることです。
いきなり高い目標を掲げるよりも、まずは小さな目標をコツコツこなす方が成功する確率が高いことが分かっています。
小さな成功体験を積み重ねることで、自信と経験が身につきます。
それらがさらによい好循環を生み出してくれます。
まずは、毎日、コツコツ少しずつ、目標を達成してみましょう。
そうすることで、きっと自己肯定感は高まることでしょう。
自己肯定感の教科書のまとめ
いかがだったでしょうか?
自己肯定感を高めることで、人生をより豊かなものにすることができます。
私がお勧めする一番簡単な方法は、ただ笑顔を作るだけです。
本書に書かれていないことが残念ですが、これはすぐに効果があります。
うまくいかないことがあったりして心がネガティブになっているときはぜひやってみてください。
参考書籍
Think clearly ロルフ・ドベリ著 サンマーク出版
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