ZDP189は数ある刃物の鋼材の中で一番硬いと言っても過言ではなく、ロマンにあふれた鋼材です。
ナイフの鋼材としては以前から有名でしたが、近年、包丁でも使われるようになり、ネットでも気軽に購入できるようになりました。
この記事では、
実際そんなにニッチな鋼材を使った包丁って使ってみてどうなの?
研げるの??
という疑問について解説します。
最初に結論を言うと、かなり人を選ぶ鋼材だと思います。
・ZDP189について
・ZDP189の使いやすさは?
・研ぐことはできる?
・最高レベルの硬度ZDP189について知りたい人
・ZDP189を買おうか悩んでいる人
・ZDP189は研げるのか気になる人
ZDP189とは?
日立金属が作っている非常に硬いステンレス系の鋼材です。
HRC66程度もあり非常に硬く、粘り強くさらに高い耐摩耗性もあり、刃が長切れします。
硬く粘り強いため薄い刃に加工することが可能で、非常にするどい切れ味を出すことができます。
ですが、逆に高すぎる硬さと粘りと耐摩耗性のため研ぎにくく、欠けやすい包丁でもあります。
また、この硬さを出すために炭素が多く(3%)含まれているそうで、ステンレスなのにサビやすいです。
ちなみに3%というのは、安来鋼の青Sよりも多い含有量です。
HRC硬さとは
工業材料の硬さを表す尺度の一つです。0~70の数値で表され、包丁の鋼材としては、60程度あれば十分と言われています。
安いステンレス包丁が55程度と言われています。
逆に70近くになると、とても硬く、むしろ硬すぎて、研ぐことがとても困難になりますが、実際に刃物で70になるようなものはほとんどありません 。
ZDP189包丁の使いやすさは?
私が使っている包丁は、吉田刃物のものですので、吉田刃物を使ってみた感想です。
他にはツヴィリングのツインセルマックスが有名です。
切れ味は?
切れ味はいいです。
包丁自体が硬く薄いため、どんな食材にもスーっと刃が入りするどい切れ味です。
ですが、切れ味というのは研ぎ方でいくらでもコントロールできますので、そこそこ以上の鋼材であれば同程度の切れ味はだせます。
ZDP189の特徴としては、非常に硬いため薄い刃にしても刃が耐えられるというところです。
(硬度や粘りが低い鋼材だと薄くしすぎると割れたり欠けたりしやすいです。)
長切れは?
包丁の切れ味が長く持つことを『長切れする』というのですが、このZDP189の包丁は長切れする包丁!!のはずです。
そう。
実は断言ができない理由がありまして、長切れを確認できる前にサビてしまうんです。
これは私の使い方が悪いのですが、同時にこの包丁の欠点であるとも個人的に思います。
ちゃんと使えばとても長切れする包丁だと思います。
ZDP189はサビやすい!?
ZDP189はステンレス系の鋼材にもかかわらずサビやすいのです。
もちろんステンレス系ですので、多少いいかげんに扱った程度ではサビません。
ですが、鋼の包丁であれば、水気や酸に気を付けて使うのですが、ステンレスの包丁はどうしてもいい加減に保管しがちです。
シンクの中にほったらかしや使った後に洗わずにほったらかしなんてことがよくあります。
そのため、気が付けば少しサビてしまい、刃がかけていたりします。
粉末ハイス系のステンレスはどれもそうなのですが、炭素が多いためかサビやすいです。
他の粉末ハイスの包丁もすぐにサビてしまいます。
研ぐのがやっかい!!
そして何がやっかいなのかというと、研ぐのが大変なんです。
欠けができようものならかなりの重労働です。
シャプトンの刃の黒幕シリーズであれば研ぐことができますが、良く分からない安物の砥石だと全く研げません。
よく研げると評判のシャプトンでも他の包丁より研ぎ時間がかなりかかります。
研ぐことができるのか?
上に書いたように研ぐことはできますが、普通の包丁よりかなり大変です。
青Sと比較しても、同じくらいかそれ以上に研ぎにくいと感じます。
お店で買ったときに定員からは、『大丈夫です。研げますよ。』と言われたのですが、そりゃ研げはするよ。
でも!!めちゃくちゃ大変です!!
ZDP189のまとめ
このZDP189の包丁がおすすめできるかというと、正直、人を選ぶという結論です。
はっきり言って包丁にここまでの硬さと粘りは必要ありませんし、研ぐのも大変です。
しかも、値段は3万円以上です。
鋼材として優秀なV金10号の包丁であれば4000円くらいからあります。
他の記事でも書いていますが、やっぱり私のおすすめは藤次郎のDPコバルトですね。
ちょうど良い硬さで研ぎやすく、しかも雑に扱ってもほぼサビません。
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